これはスゴイ! とび太くん着ぐるみバージョンの飛び出し坊や現る(笑)

これはスゴイ! とび太くん着ぐるみバージョンの飛び出し坊や現る(笑)

あれ?とび太くん着ぐるみが…?

とび太くんの飛び出し注意看板は、滋賀県内のあちこちで見かけるわけですが、ついにといいますか、思わず「えっ!」と声を出して車を急停車させてしまいそうになる飛び出し坊やの存在が確認されました(急停車は「ダメ!ゼッタイ!」)。それは、こんな飛び出し坊やです。

見てのとおり、Mahorovaに所属している「とび太くん着ぐるみ(三次元タイプ)」型飛び出し坊やです。久田工芸さんが制作されているとび太くん看板が着ぐるみとなったことも世の中に大きなインパクトを与えたわけですが、そのとび太くん着ぐるみがまたフィードバックして、立体型飛び出し坊やになってしまうなんて…。世の中は本当に何が起こるかわかりません(笑)。

とび太くん看板が生まれた経緯は、当サイト内の「とび太くん誕生秘話」に詳しく述べさせていただいたように、久田泰平さんが「横断旗人形→横断旗人形の謎Vol.1横断旗人形の謎Vol.2」をヒントにして考案されたものでした。当時高価だった立体型の横断旗人形の替わりに、安価でどこにでも設置しやすい二次元型のとび太くん看板が生まれたわけですが、今度は先祖返りして、二次元型のとび太くん看板が横断旗人形のように立体型(三次元型)になってしまったというわけです(笑)。

ただ、あまりに精巧にできているため、もしかするとどちらかの業者さんが作っているのではということで(著作権のこともありますので…)、久田工芸さんともお話して、この立体型の「とび太くん着ぐるみ型飛び出し坊や」が登場するに至った状況を把握することにいたしました。

この「飛び坊」が飛び出している場所は、のどかな田園風景が広がる滋賀県東近江市妹町にある「かすが保育園」さんの前の道路です。どうやら保育園児たちの横断があるようなので、ドライバーに注意を促すために設置されたもののようでした。そこで早速、園内にいらした女性の方にこの飛び坊について聞き込みを開始。たまたまその女性の方が関係者の方だったので、即座に園長先生に取り次いでいただけることになりました。アポなしの急な訪問にもかかわらず、園長先生ご自身が出てきてくださり、この飛び坊の謎についてお答えをいただくことができました。

飛び出し感満点の後ろ姿。やけに様になっています(笑)

飛び出し感満点の後ろ姿。やけに様になっています(笑)

本物のとび太くん着ぐるみとは口元が少し違っています

本物のとび太くん着ぐるみとは口元が少し違っています

指が1本飛び出しているのがミソ!

指が1本飛び出しているのがミソ!

園長先生のお話によると、この飛び坊を制作したのは、かすが保育園の近くにお住まいの同保育園の卒園生とのこと。そこで、制作者ご本人に連絡をとりたいと願い出たところ、「では、本人に話を通してみますね」と快諾してくれました。後日、ご本人のお父様の連絡先を教えていただけたので、お父様を介して直接ご本人とコンタクトをとることができました。その方は、今年の春に京都造形大を卒業し、現在は京都の印刷会社に勤めていらっしゃる田中優太さんです。うかがった話では、田中さんが2回生のとき、飛び出し坊や
を3D化したらどうなるだろうかと考えてしまい、思わず制作されたそうです。そのときは、すでにとび太くん着ぐるみは存在していましたので、とび太くん着ぐるみについてはご存じであったかと勘違いしていたのですが、どうやら田中さん本人はそのころとび太くん着ぐるみがこの世に生まれていたことは知らなかったといいます。

実際はとび太くん着ぐるみが、田中さんがこの飛び坊を制作した時期の1年前にはすでに登場していたのですが、当時はとび太くん着ぐるみの露出も少なく、それほどみなさんに知られていなかったわけで、田中さんがそれを知らずに同じような発想をしていたとしてもおかしくはありません。世の中にまったく違う流れから同じようなことを考えていた人がいたということも驚きですが、あまりに田中さんの制作したこの飛び坊がとび太くん着ぐるみにそっくりなのにも驚きます(笑)。シンクロニシティとはこういうようなことをいうのでしょうか?(笑)

その後、この3次元型とび太くん飛び坊を滋賀のご実家に持ち帰ったそうですが、それを見たお父様が自宅内に置いておくのは忍びないとの思いから、かすが保育園の園児たちが交通事故に巻き込まれないように活躍してもらおうと寄贈されたとのことです。設置されたのは、つい最近の今年の5月半ばという話なので、とれとれピチピチの情報といったところでしょうか(笑)。

やけに気になってしまったので、なぜこのとび太くんの指が1本飛び出だしているのかを聞いてみました。田中さんいわく、「みんなもいろいろと飛び出してみようよ!」の呼びかけとして(道路に飛び出すという意味ではなく、いろんな場面に飛び出してみようとの呼びかけの意味を込めて)、「Good Job!」の親指をイメージしたそうです。ちなみに、制作期間は1週間ほどかかったそうで、アルバイトのお金をはたいて巨大な立体発泡スチロールを購入し、熱線で削りながらかたどりした後、特殊な処理を表面に施すなどしてなめらかな立体感を演出するのに苦心されたそうです。この飛び坊の大きさは、ほぼ2次元型(通常の)とび太くん看板と同じサイズとのこと。

ところで、保育園の前の道路は、交通量はそれほど多くはないものの、ダンプなどの大型車がビュンビュン通りすぎていく危なっかしい状態で、ドライバーに飛び出し注意を喚起するのにはこの飛び坊が大きな役目を果たしているように見えました。ということなので、この飛び坊はとび太くんを愛する一市民が公共の福祉に利する目的のためだけに無償設置協力をしたものということで、久田工芸さん、Mahorovaともどもこのまま継続的にここに設置され続けることを今後も望むという判断をいたしました(とび太くんの制作物等に関しては、著作権法上の諸都合により、ご連絡をいただかなくてはなりませんのでご注意を。)

さて、さすが美大出の方の制作物ということで、本当に完成度の高いものなのですが、園長先生いわく、「受けがいいのか、ここを通り過ぎる多くの方が路上に車を停めてこの坊やの写真を撮るので、逆に危険な状況が生じてしまっているのです。このままではいつ追突事故などが起きるかわかりませんので、もし状況が変わらないようですと、せっかくなのですが撤去せざるを得ないのかもしれません…」とのこと。

確かに、あまりに出来が良いためについつい車を停めて写真を撮りたくなる人たちの気持ちもわからないではありませんが、それが逆に交通事故を招いてしまうようであれば本末転倒もいいところです。決してこの飛び坊が原因となるような事故が起きるようなことはあってはならないことです。ですから、園長先生のおっしゃるように、この飛び坊をもし撮影したいと思われた方は、絶対に路上に駐車するような危険なことはしてはいけません。飛び出し坊やファンとしての矜持(=交通安全に関する高い意識)をしっかりと保つことが求められています。

しかし、これほどすごい存在感なので、「もしかして…」とちょっと心配になるのは、このとび太くんが熱烈なとび太くんファンや飛び出し坊やファンに誘拐でもされてしまわないかということです。そんな心配ももたげてきたので、この情報をここで公開するかどうか迷うところでしたが、まさかとび太くん好きにそんな悪いことを考える人はいないと思いますし、ここで紹介しなくともいずれはフェイスブックなどのSNSで知れ渡っていくことと思い、逆に大勢の人に知ってもらうことによってみんなで見守るほうがいいだろうと判断いたしました。

このとび太くんには、これから長らく園児たちを見守り続けてもらうことになるでしょうが、やんちゃな小・中学生たちに殴られたり、蹴りを入れられたりせずに、手足や頭などがそのままであり続けてくれることを祈っておきましょう。まぁ、二次元型のとび太くん看板のように、自然の摂理で徐々に色あせてくるのはどうしようもないことでしょうが…(笑)

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